ひげや体毛が濃いと、見た目が悪く女性に対して自信を持てない……と、コンプレックスを持っている男性は非常に多くいます。かつては、ひげやムダ毛の脱毛は、女性向けであり、「男性が施術を受けるのは恥ずかしい」という認識を持っていた人も少なくありませんでした。しかし、最近では男性の脱毛もかなり一般化されており、むしろ清潔感を出すために肯定的な意見を受けるケースも増えました。ここでは、光脱毛の種類や、それぞれのメリット・デメリットについて、詳しくご紹介します。
目次
この記事のポイント
- IPL方式はメラニン色素に反応する方式
- SSC方式は抑毛効果のあるジェルを浸透させる
- SHR方式は毛が生える因子であるバルジ領域に影響を与える
光脱毛の仕組み
そもそも、光脱毛とはどのような仕組みで脱毛されるのでしょうか。詳しくご紹介します。
脱毛の原理
光脱毛とは、フラッシュ脱毛とも呼ばれており、脱毛サロンなどで行われる施術です。脱毛クリニックで施術される医療脱毛、いわゆるレーザー脱毛とはまた異なる施術となっています。一般的な光脱毛においては、毛根に含まれるメラニン色素に反応する光を照射。熱ダメージを与えて、脱毛することができるので、毛の周囲の肌にダメージを与えることなく、脱毛することができます。一定期間経過すると、再び毛が生えてくるのですが、繰り返していくと毛根の力が弱まり、徐々に毛が薄く、生えにくくなっていくのです。
毛周期とは
光脱毛でムダ毛処理をするためには、毛周期を把握しておくことが必要です。毛周期とは、文字通り毛が生える周期であり、「成長期」「退行期」「休止期」とに分類されます。「成長期」には、毛が延びる過程であり、ある程度伸びると「退行期」に入って成長が停止。そして、「休止期」には毛が抜け落ちて、再び「成長期」へとつながっていきます。
「成長期」は、毛根にある毛母細胞が活発となる時期であり、メラニン色素も多く含まれていることから、この時期に光脱毛をすると効果的に脱毛することが可能です。
光脱毛は大きく分けて3種類ある
光脱毛と一言で説明してきましたが、さらに以下の3つの種類に分類されます。
- IPL方式
- SSC方式
- SHR方式
それぞれの脱毛方式について、どのような特徴があるのか、メリットやデメリットを含めて、詳しくご紹介します。
IPL方式
IPL方式とは、Intense Pulse Light(インテンスパルスライト)の略称であり、キセノンランプを使用して脱毛します。毛に含まれるメラニン色素に熱を加えて、毛根にダメージを与える脱毛方法です。非常に多くの脱毛サロンで採用されている方式であり、理論上は医療機関で施術される医療レーザー脱毛と同じとされています。ただし、医療レーザー脱毛と比較すると、出力が弱いので、医療レーザー脱毛ほどの効果は得られません。
IPL方式のメリット
IPL方式では、メラニン色素に反応する光を照射するため、毛が太くて濃い人ほど、1回の脱毛で高い効果を得られます。そのため、施術初期においては脱毛効果を目で見て実感しやすいでしょう。また、医療レーザー脱毛と方式は同じですが、出力が弱いので痛みが少なく、照射範囲も広いので施術時間も比較的短時間です。医療レーザー脱毛などは、痛みが強い傾向のため、せっかくお金を支払っても通わなくなるリスクもあります。そのため、脱毛の際に痛みが少ないのはかなり大きなメリットといえるでしょう。
IPL方式のデメリット
IPL方式は、痛みが少ないといっても、ある程度の痛みがあります。個人差はあるものの、イメージとしてはゴムで弾いた程度の痛みを感じるでしょう。また、肌に熱を照射するため、万全の肌状態で施術をする必要があります。例えば、日焼けなどをしてすぐの肌が傷ついている状態では、施術を受けることができないので、注意が必要です。さらに、白い毛や色素が薄くなった毛には反応しないため、部分的に毛が残ってしまう可能性もあります。なお、毛周期に合わせて施術をする必要があるので、そのほかの方式と比較すると1回当たりの間隔が開きやすいです。
SSC方式
SSC方式は、Smooth Skin Control(スムーススキンコントロール)の略称であり、クリプトンライトというライトを照射して脱毛をします。IPL方式と同様に、非常に多くの脱毛サロンなどで採用されている方式です。SSC方式では、IPL方式同様に光を当てるのですが、光の熱で脱毛をするのではありません。トレジャービーンズジェルというジェルを肌に塗るのが特徴です。このジェルには、フィリーニーブという抑毛効果のある成分が含まれています。光を当てることで、この抑毛成分が効果を発揮して、ムダ毛を抑えます。
SSC方式のメリット
SSC方式では、熱を毛根に照射して脱毛するのではないため、「痛みがない」というメリットがあります。IPL方式の場合、ある程度肌にダメージを与える可能性があるのですが、ジェルを浸透させるSSC方式では、肌に優しいのも大きな特徴です。また、IPL方式では対処することができない産毛や色素の薄い毛などにも効果を発揮させられるというメリットがあります。
SSC方式のデメリット
SSC方式では、ジェルに含まれる抑毛成分を活用して脱毛をしていきます。そのため、効果を発揮させるためには、一定の期間が必要です。IPL方式のような即効性がないので、脱毛を受けても、その効果が実感しにくいというデメリットがあります。また、ジェルを塗る際に冷たく感じるので、それが苦手という人にもデメリットになるでしょう。IPL方式同様に、日焼けをしていると施術ができないので注意が必要です。
SHR方式
SHR方式は、Super Hair Removal(スーパーヘアリムーバル)の略称です。比較的新しい脱毛方法であり、ここまでご紹介したIPL方式やSSC方式を比較すると導入している脱毛サロンは多くありません。現在生えている毛に影響を与えるのではなく、毛のもととなる因子「バルジ領域」に光を当ててダメージを与えます。これにより、毛が生えないようにするのです。メラニン色素には関係がないため、毛周期を気にせずに施術できる新しい脱毛法といえるでしょう。
SHR方式のメリット
SHR方式は、これから生えてくる毛の因子にダメージを与えるので、比較的痛みが少ないというメリットがあります。さらに、細い毛や白い色、色素の薄い色の毛にも効果的であり、肌トラブルも軽減可能です。日焼けで肌が黒くなっていたり、敏感肌であったりする人でも手軽に施術を受けられるでしょう。施術時間が短く、2週間に1回のペースで施術できるので、最短で6ヵ月程度で脱毛完了と、比較的早く脱毛が終えられるので、早く効果が欲しいという人にもおすすめです。
SHR方式のデメリット
SHR方式は、現在生えている毛に作用するものではないので、「脱毛後の効果の実感がしにくい」というデメリットがあります。しかし、徐々に毛が生えなくなってくるので、一定期間施術を続けていると、気が付けば毛が生えにくくなっていることに気が付くでしょう。また、画期的な施術法ではあるものの、まだSHR方式の脱毛器が少なく、採用している脱毛サロンも多くありません。受けたいと思っても、近くにお店がない可能性があるでしょう。
光脱毛でどこまで脱毛できるのか?
光脱毛に興味がわいたけれども、いったいどの程度まで脱毛できるのか、気になる人は多いかもしれません。そこで、ここでは「光脱毛でどこまで、どの程度脱毛できるのか」についてご紹介します。
全身に施術することができる
光脱毛は、施術場所を選ばず全身の脱毛をすることができます。特に、人気の腕や顔、そして足はもちろんのこと、一般的に処理のしにくい背中などの脱毛も可能です。粘膜に関係する場所に関しては施術が難しいのですが、男性の場合、粘膜部位の需要はあまり高くありません。ただし、IPL方式の光脱毛を行う場合は、色素の薄い毛や白髪、そしてほくろや日焼けなどの個所については、効果が得られない場合があります。
すぐに効果が表れるものではない
光脱毛は、長期的な施術で脱毛を進めていくものです。そのため、施術をしたからといって、すぐに効果が表れるとは限りません。一見、早く効果がみられるのは、現在生えている毛の毛根に作用するIPL方式の光脱毛のケースです。施術後数日経過すると、ぽろっと毛が抜け落ちるので、毛が脱毛されている感じがあります。しかし、そのほかの脱毛法の場合、生えていない毛に対して作用するので、施術後でもそれほど効果が出ていると感じられない可能性があるでしょう。
光脱毛のメリット
医療レーザー脱毛などもありますが、光脱毛を選択するメリットはいくつかあります。
価格が安い
サロンでの光脱毛は、クリニックでの医療レーザー脱毛に比べて、比較的価格が安い傾向です。なかには、施術回数無制限というようなサービスを提供していることもあります。そのため、医療レーザー脱毛と比較して、出力が弱く効果を実感するのに時間がかかったとしても、トータルで安く脱毛を済ませられることもあるでしょう。「とにかく手軽に脱毛をしたい」という場合には、医療レーザー脱毛よりもサロンの光脱毛がおすすめです。
レーザー脱毛に比べると痛みが少ない
クリニックで受けられる医療レーザー脱毛は、高い脱毛効果を得ることができます。なぜなら、光脱毛と比較して出力が大きいからです。強い光を当てるため、深い場所にある毛根にしっかり届くのですが、その分肌へのダメージは大きくなります。なかには、せっかく一定回数分の施術費用を支払っているのに、痛くて次の施術に行きたくないと感じてしまう人も。そのため、痛みの少ない脱毛サロンの光脱毛こそ、手軽に受けられる脱毛施術といえるでしょう。
トラブルも比較的少ない
先にご紹介したように、医療レーザー脱毛は出力が大きいので、肌に与えるダメージは大きくなってしまいます。これは、施術中はもちろんのこと、施術後にトラブルとなることも。肌が弱いと、軽くやけどのような状態になったり、赤く腫れたりするケースがあります。脱毛サロンの光脱毛であれば、出力が弱いため、医療レーザー脱毛と比較するとトラブルは少ないようです。
自分に合った脱毛を試してみよう
脱毛サロンの光脱毛は、一般的には医療レーザー脱毛よりも出力の低いIPL方式の光脱毛で施術されることが多いようです。しかし、最近では抑毛成分の含まれているジェルを塗って浸透させるSSC方式や、毛の素となる因子であるバルジ領域にダメージを与えるSHR方式などの光脱毛も注目されています。それぞれの光脱毛に、メリット・デメリットが存在しているので、「自分はどの方式にあっているのか」「自宅から通えるところにその脱毛方式を採用しているサロンがあるのか」しっかりと確認したうえで脱毛にチャレンジしてみましょう。