脱毛サロンで効果的な脱毛をするためには、毛周期を意識して施術間隔を調整することが望ましいとされています。毛周期を無視したまま脱毛の施術を行うと、効果が出ないばかりか思わぬ肌トラブルに悩まされる場合もありますので注意が必要です。
本記事では、脱毛効果に大きな影響があるとされる毛周期と脱毛の関係性を取り上げ、紹介していきます。
目次
毛周期って何?
毛周期とは、毛の生え変わる周期のことです。毛周期には4段階のサイクルがあり、成長初期、成長後期、退行期、休止期を繰り返しています。
脱毛する機械の種類によって、毛周期は施術のタイミングに大きく影響すると言われています。一般的に脱毛に適しているのは成長初期と成長後期です。毛が自然と抜け落ちる直前の退行期や、実際に毛が抜け落ちる休止期にはほとんど施術の効果はありません。せっかく脱毛を行うなら、十分な効果を得られるように、体の部位ごとの毛周期を知っておくことが大切です。
まずは、毛周期についてより詳しく紹介します。
各サイクルの特徴について
ここでは、毛周期の4段階のサイクル、成長初期・成長後期・退行期・休止期の特徴について順に解説します。
成長初期
成長初期とは、文字通り毛が成長し始める時期を指します。一般的に、成長初期・成長後期の毛はメラニンが濃いため、メラニンに反応する医療レーザー脱毛を行うと脱毛効果が高いとされています。
成長初期は、毛根にある毛母細胞の分裂が始まり、皮膚の中で毛の成長が始まります。
成長後期
成長初期の次に来る成長後期になると、 毛母細胞が成長初期よりも活発に分裂しはじめます。また、皮膚の外まで毛が伸び始めるのもこの時期です。
退行期
退行期は、毛母細胞の分裂速度が遅くなっており、毛が毛根から離れて抜け落ちる前段階です。退行期の毛は、毛母細胞が活発ではないため、メラニンが薄く、レーザー脱毛で照射するレーザーに反応しにくくなってしまいます。
退行期に脱毛を行っても効果はあまり期待できず、施術を行っても再び毛が生えてくる場合があります。
休止期
休止期は、毛が抜け落ちてしまっているため、特に脱毛には適さない時期とされています。
休止期には、次の毛の成長を始めるまでの状態でもあり、毛穴も休んでいる時期です。メラニンの量も少なく、脱毛時に重要となる毛乳頭が毛と離れているため、レーザー脱毛のレーザー照射にはほぼ反応しません。
そのため、休止期に脱毛を行っても、退行期と同様、効果が期待できず再び毛が生えてくる可能性が高いでしょう。
体の部位ごとの毛周期
主な体の各部位の毛周期を紹介します。
部位 | 成長期 | 退行期・休止期 |
頭髪 | 2~6年 | 3~4ヵ月 |
顔 | 1~2ヵ月 | 2ヵ月 |
ワキ | 3~5ヵ月 | 3~5ヵ月 |
腕 | 3~4ヵ月 | 3~4ヵ月 |
VIO | 1~2年 | 1年 |
膝上 | 4~5ヵ月 | 4~5ヵ月 |
膝下 | 3~4ヵ月 | 3~4ヵ月 |
一般的に、毛が濃い部位ほど毛周期が長く、毛が薄い部位ほど短くなる傾向にあります。
脱毛には成長期の毛が生えそろうタイミングがおすすめ
脱毛を行う場合には、成長期の毛が生えそろう、1ヵ月から3ヵ月くらいの間隔で実施するのが効果的です。
毛量が少なくなってきたら、脱毛の間隔をさらに空けて施術を行うと、成長期のタイミングを狙いながら効果的な脱毛が可能です。
毛周期に合わせた脱毛間隔は1~3カ月が効果的
毛周期に合わせた効果的な脱毛には、先ほども触れたとおり、1ヵ月から3ヵ月程度の間隔で脱毛を実施するのが良いとされています。
毛周期に合わせた部位ごとの脱毛間隔は以下のとおりです。
部位 | 脱毛間隔 |
ワキ | 2~3ヵ月 |
VIO | 1ヵ月半~2ヵ月 |
全身 | 2ヵ月 |
顔 | 1~2ヵ月 |
太もも | 1ヵ月半~2ヵ月 |
膝下 | 1ヵ月半~2ヵ月 |
上記の表では、部位ごとに脱毛間隔が異なっていますが、部位に合わせた脱毛を行うとサロンへ足を運ぶ回数も多くなってしまい、結果としてサロンに通うのが億劫になりかねません。そのため、比較的負担を少なく脱毛に通える間隔として、1ヵ月から3ヵ月間隔での脱毛が推奨されています。
毛が生えにくくなってきた場合
脱毛を複数回受けて、毛が生えにくい状態になってきたら、脱毛の間隔を空けてみましょう。
たとえば、脱毛しても毛がすぐに生えてくるような時期には、1ヵ月半から2ヵ月間隔程度で通い、少しずつ毛が生えにくくなってきたら間隔をあけて3ヵ月程度のペースで脱毛を行っていきます。そのまま脱毛を繰り返すと、最後には生え変わり周期の長い毛だけが残るようになるので、脱毛自体も楽になるだけでなく、必要最低限の回数で脱毛を完了できる可能性が高くなります。
脱毛の間隔を空けすぎた場合はどうなる?
脱毛の間隔を空けすぎてしまった場合、脱毛にはどのような影響があるのでしょうか。実際、脱毛の間隔を空けすぎてしまって効果がなくなってしまうようなことはありませんが、まったく問題がないとは言い切れません。脱毛に適した毛周期からずれてしまい、本来期待できた効果よりも薄れてしまう恐れがあります。
そのため脱毛に通う間隔は、なるべく一定の間隔に設定するのがおすすめです。
ここでは、脱毛サロンに通う間隔で注意しておきたいことを紹介します。
初回から2回目の脱毛間隔は空けすぎないようにする
初回の施術を行った後は、高い脱毛効果が出やすいときです。しっかりとした脱毛効果を出すためには、2回目に行う施術までの期間をきちんと守ることが重要となります。
毛周期を無視した脱毛はトラブルのもと
先述のとおり、毛周期を意識した脱毛は効果的ですが、反対に毛周期を無視した脱毛はさまざまなトラブルの原因となります。
毛周期を無視した脱毛は、次のような3つのトラブルを招きます。
1. 肌トラブルの原因となる
脱毛の施術は、どうしても肌に負担がかかりやすいとされていますので、毛周期を無視した脱毛を行うと肌トラブルを引き起こしやすくなります。
たとえば、医療レーザー脱毛、毛のメラニンに反応して熱を生じさせるため、肌は熱によるダメージを受けます。毛周期を無視して脱毛を行った結果、やけどの跡や色素沈着が肌に残るリスクを高めてしまいます。
2. 脱毛が非効率的になりやすい
一般的に、成長期以外の毛は脱毛時に反応しにくいため、毛周期を意識せずに脱毛を行うと、非効率的になりやすい傾向にあります。
脱毛に効果の高い成長期の毛は、生えそろうのに1ヵ月から3ヵ月程度を要するため、まだ成長期の毛が生えそろっていない段階でレーザーを照射しても反応がなく、施術効果が得られず、毛が残ってしまいやすいです。
せっかくムダ毛のないきれいな肌を目指して脱毛に通っているのに効果が半減してしまうのは避けたいでしょう。そういった面からも毛周期に合わせた脱毛が大切です。
脱毛サロンが提案する、毛周期に沿った施術間隔を守るように心がけましょう。
3. 結果的に費用が高くなってしまう
毛周期に合わせた脱毛は効率が良いだけでなく、施術回数が少なく済むので、費用を抑えることも可能です。
脱毛効果が感じられない場合は、施術の頻度を増やすよりも担当者に一度相談してみましょう。使う機械を変えてみたり、照射パワーを変更したりすることで効果が表れる可能性もあります。
毛周期が乱れる3つの理由
毛周期は、日常のほんのささいな出来事から簡単に乱れてしまうので注意が必要となります。
一般的に、毛周期が乱れてしまう理由には、以下の3つが挙げられます。
- 毛抜きでの自己処理
- 生活習慣によるもの
- ホルモンバランスの乱れ
次項で、毛周期が乱れてしまう理由を具体的に紹介します。
1. 毛抜きでの自己処理
毛抜きを使用して毛を毛根ごと抜いてしまうと、毛周期が乱れる原因となります。また、毛根がなくなってしまうので施術を受けても脱毛の効果は得られません。
毛周期が乱れてしまうと、一定期間は脱毛効果が低下します。通院前に自己処理したい場合には、電気シェーバーを使用するようにしましょう。
2. 生活習慣によるもの
飲酒や喫煙、暴飲暴食、睡眠不足なども毛周期が乱れる原因です。また、不規則な生活を送ったり、ストレスが溜まったりしても、毛周期に影響を及ぼします。
正常の毛周期サイクルを守るためにもなるべく規則正しい生活を送り、ストレスを溜めこまない生活を意識してください。ストレスが解消されることで、毛周期が乱れてしまうもうひとつの理由である、ホルモンバランスの安定も期待できます。
3. ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスが乱れることも毛周期のサイクルに大きく影響します。ホルモンバランスが乱れた結果、男性ホルモンが活発になって毛が濃くなってしまったり、毛の伸びるスピードが早くなったりしかねません。
毛周期が乱れることは脱毛効果低下の要因ともなるため、ホルモンバランスの乱れには注意しましょう。
4.栄養不足
毛はタンパク質のほか、ビタミンB2、B6やミネラルなどの成分から成り立っています。これらの栄養が不足することで毛周期が乱れる恐れがあります。
毛周期を維持するのに欠かせない各成分を多く含有しているのが以下のような食品です(※1)
成分 | 食品 | 100gあたりの含有量 |
タンパク質 | 豚肉(かた赤身) | 20.9g |
ビタミンB2 | からふとます(焼き) | 0.27g |
ビタミンB6 | にんにく(生) | 1.53mg |
(※1)文部科学省「 食品成分データベース」https://fooddb.mext.go.jp/
効率的な脱毛を行うために必要なこと
脱毛でより高い効果を得るためには、サロンの施術前後で気をつけておきたいことがあります。効率的な脱毛を行うためにも、ぜひ次の5点に気をつけていきましょう。
- 施術を受ける前に丁寧な手入れを行う
- 日焼けをしない
- 施術後の保湿を行う
- 激しい運動を避ける
- 飲酒後は避ける
以下、効果的な脱毛のために必要な点を詳しく解説していきます。
1. 施術を受ける前に丁寧な手入れを行う
脱毛の施術を受ける当日までに丁寧なお手入れを行います。お手入れをする際には、毛抜きやワックスなど肌を傷つける恐れがあるものは使用しないでください。
万が一施術を受けるときに肌が荒れていると、施術を受けられなくなる場合もあるため注意が必要です。
2. 日焼けをしない
日焼けも肌に負担をかける原因の一つです。日焼けの原因である紫外線は肌のバリア機能を低下させてしまいます。バリア機能は肌の水分を保つ役割も担っているため、肌が乾燥しやすくなってしまいます。
また、肌が日焼けしていると、脱毛時のレーザー照射が肌にも反応し、やけどなどのリスクが高まります。日焼けの状態によっては施術を受けられない可能性もあるため注意が必要です。
脱毛する日が近くなってきたら、日焼け止めや帽子などを上手に活用し、日焼けを避けるよう心がけましょう。
3. 施術後の保湿を行う
脱毛の施術を受けた後は、肌が乾燥しやすくなっています。肌トラブルを防ぐためにも、施術後の保湿はクリームや乳液を使い、きちんと行うようにしましょう。
また、保湿をしないままでいると、肌質が変わってしまうこともあるので、いつも以上にしっかりとした保湿を行うことが重要となります。面倒に思わず、脱毛の施術を受けた後は、丁寧な保湿を行ってください。
4. 激しい運動を避ける
激しい運動は血行を活発にし、体温を上昇させます。血行が良くなると、体が熱を放出しようとして炎症などの肌トラブルにつながってしまう恐れがあります。そのため、施術の前日や当日、施術直後は激しい運動を避けましょう。
4. 飲酒後は避ける
運動同様、飲酒は血行の促進を促します。そのため、施術の前後に飲酒すると施術がうまくいかなくなり、効率的に脱毛が行えない可能性もあります。飲酒の予定がある場合は施術を控えるようにしましょう。
効率的な脱毛には毛周期の意識が大切
本記事では、効果的な脱毛の施術では無視できない、毛周期と脱毛との関係性を紹介しました。毛周期にはサイクルがあり、成長初期、成長後期、退行期、休止期の4段階を繰り返しています。より高い脱毛効果を得たい場合は、毛周期サイクルの毛の成長期のタイミングに合わせた施術が重要となります。
脱毛をお考えの人や、脱毛の間隔にお悩みの方、より効果の高い脱毛の施術を受けたいという方はぜひ、今回の内容を参考に毛周期への意識を高めた上でのサロン通いを検討してみてはいかがでしょうか。