尻毛あるいはケツ毛は、その名の通り肛門部分に生えている毛のことです。ほとんど他の人に見られることがない箇所の毛なので、脱毛する必要がないと思われるかもしれません。
しかしケツ毛の脱毛にはデメリットがほとんどなく、メリットが多くあります。
ケツ毛の処理は手が届きにくい箇所に対する作業ですので、個人でやるにはなかなか難しいかもしれません。サロンやクリニックを利用すれば、効果的にケツ毛の脱毛を進められるのでおすすめです。
本記事では意外と知られていない、ケツ毛を脱毛するメリットややってはいけないNG行為や正しく処理する方法などを詳しく解説いたします。
目次
ケツ毛を脱毛する3つのメリット
体のムダ毛といえば、脇毛や腕の毛、指の毛、背中の毛、お腹の毛、乳首の毛などがまず真っ先に思い浮かぶかもしれません。
人の目に触れる機会がほとんどないケツ毛の処理は、忘れられてしまうことが多いです。
しかしケツ毛を生えたままにしておくと不衛生な状態になりやすいため、できれば処理しておいた方がよいとされています。
そもそも人の毛は肌を紫外線のような外的要因から守るために生えてくるとされています。
では肛門周りはどうでしょうか。下着やズボンのような衣類、あるいはお尻によって肛門周りは守られているため、実際のところケツ毛が持つ役割はほとんどないのです。
逆に、ケツ毛を処理せずにそのままの状態にしておくと、汗をかいたときに蒸れやすくなり、これが原因となって臭いを放つようになって不衛生な環境ができやすくなってしまいます。
ケツ毛を処理することで期待できる3つのメリットをそれぞれ見ていきましょう。
1. トイレの後スムーズにきれいにできる
トイレで排便をした際、ケツ毛が多いとどうしても排泄物が絡まってしまいます。肛門周りに排泄物を付着したままにしておくことはできないので、できるだけきれいにしたいところですが、ケツ毛があるとこういった場面で処理しにくく不満に感じられるでしょう。
ケツ毛が特に濃いとウォシュレットでもなかなか完全に落とし切るのが難しいこともあります。かといってトイレットペーパーで強引に拭き取ろうとすると、やりすぎて肛門周りが痛くなってしまうかもしれません。
ケツ毛を脱毛しておけば、このように排泄物が絡まる心配がありません。トイレ後の始末がとてもスムーズになるでしょう。
またケツ毛に付着したままで残った便から雑菌が増えてしまうリスクも抑えられるのです。
2. お尻周りの清潔を維持できる
年間を通して湿気が多い日本では、特に夏はジメッとした蒸し暑い日々が続きます。蒸し暑い日が続くと気になるのが、汗です。汗といえば、脇汗の嫌な臭いを挙げる方もいるでしょう。脇汗は元から特徴的な嫌な臭いをしているわけではありません。
かいた汗を雑菌が餌にして繁殖することで、あのような臭いを生じるようになります。つまり汗をかいてそのままにしておくことは、嫌な臭いだけでなく大変に不衛生な状態ともいえるのです。
これは脇汗に限らず、ケツ毛にも同じことがいえます。ケツ毛が濃いと必然的に汗をかいた際に蒸れやすくなります。そのまま放置していれば雑菌が繁殖していき、嫌な臭いだけでなくお尻周りに痒みやかぶれが伴うことも珍しくありません。
ケツ毛を処理しておけば肛門周りが蒸れることが少なくなり、これまでよりも格段に清潔な状態を維持できるようになるでしょう。
3. 見た目の清潔感を保てる
ほとんどの場合見られることがないからといって、ケツ毛の処理は自分だけの問題ではありません。ケツ毛を処理してスッキリした状態にしておくと、パートナーからの印象もよくなる可能性があります。
パートナーからはっきりと褒められることもあれば、誰かに気づかれることはなくとも、自分自身が前向きな気持ちを持てるようになることもあるのです。
人と比較して毛深い男性にとっては、ムダ毛そのものがコンプレックスに感じられることもあるでしょう。コンプレックスの解消、ひいては身だしなみや自分磨きの一環として、ケツ毛の処理をしておくことには大きなメリットがあるのです。
ケツ毛を脱毛する2つのデメリット
ではケツ毛を脱毛することでどんなデメリットがあるのでしょうか。把握しておくべき2つのデメリットについて見ていきましょう。
1. ケツ毛を完全に脱毛するには相応の費用がかかる
ケツ毛はどのように生えているのか、本人が直接確認するのは難しく、個人で処理するのはなかなか大変です。局部に関する脱毛はサロンやクリニックなどで専門的に行ってもらうことをおすすめします。
サロンやクリニックであれば、とても効果的に脱毛を進めてもらえるのですが、サロンやクリニックで専門的な施術を受けるとどうしても相応の費用がかかってしまいます。
脱毛は医療保険が適用されない自由診療ということもあり、クリニックやサロンのメニューによっては高額になってしまいやすいのがケツ毛脱毛の数少ないデメリットの一つです。
クリニックなどで脱毛する際は、事前に施術内容と金額を確認するようにしましょう。
2. ケツ毛を脱毛するための施術には痛みが伴う
脱毛の施術では、レーザーや光脱毛といった手法が用いられます。毛が生えている箇所にレーザーなどを照射して脱毛を行うのですが、この際に瞬間的な痛みが伴います。
昨今では技術力がどんどん向上しており、とんでもない痛みがいつまでも続くといったことはありません。レーザーなどを照射した瞬間に冷却して、痛みを抑えるといった工夫もなされています。
やってはいけない! 絶対NGなケツ毛の処理方法
ケツ毛の処理はメリットの方が多いのですが、だからといってとにかく剃ってしまえばよいというわけではありません。特にケツ毛は他のムダ毛とは異なり、やってはいけない処理方法が数多くあります。思わぬトラブルに発展してしまわないように、自分で処理する場合は特に以下でご紹介する方法は絶対に避けましょう。
カミソリ
ムダ毛を処理する方法として、自分でカミソリを用いて剃るのが最もポピュラーです。ですが、ケツ毛の処理においてはカミソリを用いるべきではありません。
カミソリを用いればコストを抑えながらムダ毛を処理できますが、刃を直接肌に当てるという都合上、どうしても傷がつきやすくなってしまいます。
特に肛門周りの皮膚は薄くなっているため、カミソリを用いるのは大変危険です。
カミソリで肛門周りを傷つけてしまい、ケツ毛の処理を中途半端に終わらせると、傷口がそのままで不衛生かつ危険な状態となります。
鏡を用いても正しく確認しながら処理するのは難しいため、カミソリを使って自分で剃るのは避けましょう。
ハサミ
カミソリと同様に刃物を用いるという都合上、やはりハサミも危険なので使用するべきではありません。
鏡を確認しながら器用にハサミでケツ毛を処理するのは、カミソリ以上に難しい作業となるでしょう。
加えてハサミを用いると毛先が鋭くなり、処理した後チクチクしてしまい肌トラブルやかゆみにつながるのもデメリットです。
毛抜き
刃物を使用せず、毛抜きを使って毛根から抜いて確実に処理する方法です。毛根から処理することで、お手入れの頻度が少なくできます。
しかしよほど痛みに慣れていない限り、毛抜きでケツ毛を処理するのはやめた方がよいでしょう。
肛門周りの皮膚は薄くなっており、そこから毛抜きでケツ毛を1本ずつ処理していくと非常に強い痛みが生じる可能性があります。
加えて毛抜きで処理した後にも問題が残ります。毛抜きを用いると毛根からムダ毛を取り除けますが、その後は毛穴が開いたままの状態になりやすいです。
開いた毛穴に排泄物などから雑菌が侵入してしまうと、炎症につながる危険性があります。
電気シェーバー
比較的安全に刃物でヒゲやムダ毛を処理するためのアイテムとして電気シェーバーが挙げられます。
電気シェーバーはカミソリのように肌を傷つけないように工夫がなされており、アタッチメントが備わっていることが特徴です。
しかしケツ毛のような、自分では見えにくく手が届きにくい箇所に対してはどうしても手元がくるいやすく肌を傷つけてしまう恐れがあります。
どれだけ安全面に考慮して作られていたとしても、電気シェーバーもカミソリやハサミのように刃物であることを忘れてはいけません。
肛門周りはどれだけきれいにしていても、他の箇所と比較して清潔だとは言い切れない部分があり雑菌が入りやすいです。
ケツ毛の処理を想定して作られていない点もあるので、使用するのは避けるべきです。
ブラジリアンワックス
便利な脱毛アイテムの一つに、ブラジリアンワックスが挙げられます。
これは高い粘着力を持つワックスで、脱毛したい箇所に塗りつけ、その上にテープを貼り付けて一気に剥がすことでムダ毛をまとめて処理できます。
広範囲の毛を毛根からまとめて抜くことが可能なので効率よく効果的に脱毛が行えるのがポイントです。
しかしやっていることは毛抜きでまとめてムダ毛を抜いているようなものなので、どうしても強烈な痛みが伴います。
他の箇所と比べて肛門周りは皮膚が薄いので、激痛になってしまう場合が多いでしょう。またブラジリアンワックスは肌に塗りつける都合上、人によっては体質に合わず炎症が起きてしまう恐れもあります。
ワックスにより開いた毛穴が角栓などで塞がってしまい、次に生えてくる毛が埋没毛になってしまう危険性も考えられます。
家庭用脱毛器
サロンやクリニックで行うのと同じようにレーザーや光を扱う家庭用脱毛器なら、自宅でも効果的にケツ毛の脱毛ができると思われるかもしれません。
しかしこのようなレーザーや光は、肌の粘膜の部分に照射してはいけないため個人で行うのは大変難易度が高く、危険です。肛門には皮膚と粘膜の境目があるため、専門的に施術をする必要があります。
ケツ毛の脱毛はサロンやクリニックにお願いしよう
肛門周りの脱毛を個人で行うことはとても難しいです。カミソリや電気シェーバー、ブラジリアンワックスなどを用いて上手く処理したとしても、あくまでも毛を取り除いただけなのでやがては元のように生えてきてしまい、定期的な処理やケアが必要になります。
ケツ毛を処理したい場合は、サロンやクリニックで専門的な施術を受けることをおすすめします。「Oライン脱毛」とも呼ばれ、昨今では希望者が増えている人気の施術ということもあり、クリニックに相談するのを恥ずかしがる必要はありません。
サロンやクリニックでケツ毛を脱毛する専門的な手法としては、光脱毛と医療用脱毛レーザーの2種類が挙げられます。それぞれ発毛組織にアプローチをかける手法そのものは同じですが、用いる機器が異なります。
医療用脱毛レーザーは高出力によって脱毛を試みるため、生じる痛みは光脱毛よりも強いです。一方で光脱毛は出力が低いため、痛みは比較的弱いです。
肛門周りの皮膚は薄いため、他の箇所と比べても特に痛みが敏感に感じられるかもしれません。痛みに抵抗がある方は、サロンでの光脱毛を検討するとよいでしょう。
ケツ毛が濃いなら脱毛で減らしてみるのがおすすめ
現代の人にとって、ケツ毛は不衛生だったり恋人からの印象を悪くしたりといったデメリットのほうが多いです。
しかし肛門周りの皮膚は薄いため、個人で脱毛や除毛を試みるのにはリスクが伴います。
ケツ毛による不快感や見た目が気になる場合は、一度サロンやクリニックで脱毛の相談をしてみてはいかがでしょうか。相応の費用と時間はかかってしまうもののサロンやクリニックで施術を受けた方が、確実で安全に脱毛の効果が得られるでしょう。